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遥は当てもなく、さまよい歩いた。
農民追いかければ、家にでもたどり着けたかもしれない。
けど、農民に百姓一揆みたいな返り討ちされそうな気がする。
それにリスポーン場所も覚えてないし、死んだらデスルーラどころか本当にあの世へルーラとか笑えない。
顔を撫でる手に当たる、もざもざした毛の感触。
「お腹すいた…」
日も暮れ始めている。
遥には、野外で夜を越す方法なんて知らない。
木に登って夜が開けるのを待つ、そんな戦法漫画には載ってたけど相手巨人じゃねーし。
「ううう…どうしよう…」
そこへ、救いの手の様な鐘の音が鳴り響いた。
ゴーン…ゴーン…
「!あれはお寺の鐘!あれを辿ればお寺がある!
何処から聞こえてくるか、わからないけど、ここは勘!勘に頼るしかないっ!」
遥は駆け足で、鐘が鳴る(と、思われる)場所に向かって駆け出した。
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