プロローグ

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正月。 肌に突き刺す寒さを感じながら、私、福山遥は神社の石垣…じゃなかった石畳の階段を登ってました。 「遅い!」 「ちょっと待ってよぉ~みどりぃ~ 私、寒くてそんなに早く歩けないよぉ~」 階段の上で仁王立ちで立ってるのは親友の三鷹翠。 ポニーテールが冷たい風に揺れている。 「運動不足が己の弱さを物語ってるっ! いつまで引き込みって、男どもと逢引してるのが悪いっ!」 翠ちゃーん…最近見てるアニメに、口調が影響されてますよー。 そんな私も、男と逢引(乙女ゲームのことだろうけど)してるから、言い返せない。 「はあ、はあ。階段キツイ。なんで昔の人は高いところに神社とか作りたがるの。」 「地上の者を見下す為だろう。」 「さらっとえぐいよ、翠。」
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