銀色の砂浜

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「あなたは頭のてっぺんから糸を垂らしたように降りてきて、直接心に忍び込む」 なぜかボクはつぶやいた。 ボクはボクでないように、まるで誰かがボクを操っているように。 ボクではない誰かが、ボクを動かし、それを他人事のように見つめている。 ボクは砂浜に立っている。 その細かな銀色の粒子がこすれ合って ――ロンロン と、穢れを知らぬ少女がハミングするように響いていた。
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