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何度回数を重ねても、初めて会う瞬間は緊張する。
「はじめまして。みかこさん…ですよね?」
写真の印象とは少し違ったが、ごくごく普通の会社員
身長も175cmはありそう…よかった。
待ち合わせ場所には、まぁまぁ好印象の青年が立っていた。
指定されたピザパーラーに入り、圭太君がピザとパスタのランチセットをオーダーした。
「ここ、来るの初めてなんですけど…オシャレで素敵なお店ですね」
最初は、当たり障りのない話で場を繋ぐ。
そして料理が運ばれてくる頃には
「敬語、そろそろやめませんか?」
そう言って圭太君は、未華子に質問してきた。
「未華子ちゃんの尊敬する人は誰?」
「尊敬する人?そうだな…」
「俺は4人いてね!芸能人でいえば松本人志、文化人でいえば…」
未華子が答える前に、圭太君がどんどん喋り出す。
「恋人に、これだけは譲れない条件ってある?」
まだ未華子の尊敬する人が誰かも答えていないうちに、圭太君は次の質問にうつった。
「譲れない条件?う~ん…ケチな人は嫌かなぁ」
「ケチ?例えば??」
「ほら、絶対にクーポンを使わなきゃ気がすまない…みたいな人いるでしょ?あぁいうのはちょっと…」
「え?!でもクーポン使えば安くなるんだよ?
クーポン使わずに、その分未華子ちゃんが払ってって言われても、それでいいの?」
……そういうことを言ってるんじゃない。
なんであたしが多く払うって結論になるのよ。
レジの前で、クーポンを探すことに必死になって後ろのお客さんを待たせるような人…
そこまでするならクーポンなんてなくても
もう割り勘にしようよ、、と思ってしまう。
過去に会った男の中で、実際にこのタイプがいてうんざりした記憶があった。
これ、説明しなきゃ伝わらないのかな…
しきりに「なんで?どうして?」と聞いてくる圭太君に
不快なことが顔に出てしまう
未華子のうんざりしている感じが伝わったのか
「俺の譲れない条件はね…」
執着していたクーポンの話を打ち切るかのように圭太君は自分の話を始めた。
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