GP計画

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 カノーンではあくまでも試射的な意味を込めていた。ここでこのギガントパピリオの威力を証明出来たから、次はそれをサルファやジャラジと言ったベトレイヤーの本拠地に向けて放てば良い。そうすれば、ベトレイヤーは壊滅的な被害を受ける。  先ずはこの一射でベトレイヤーの動きを見たかった。或いはここで戦力敵わずと思い、それでカノーンから撤退してくれれば一番だ。だが或いはこのギガントパピリオを潰そうと動く者も出て来るだろう。フラットはそれならばそれで良いと思った。寧ろそうしてくれれば張り合いが有るという物だ。  そして出来ればライトオンダーに動いて貰いたかった。ガッハの敵となるにはまだまだ力不足の若きライトオンダーだが、それでも今一番ベトレイヤーで力を持っているのがその若きライトオンダーだと言えた。またはマオかもしれない。若しもマオがギガントパピリオを潰しに動いたとすれば、デイヴィットには申し訳無いが、フラットはマオを殺してしまうかもしれない。その際は仕方が無いと言えよう。 「冷却が済み次第次弾装填だ。ベトレイヤーのゴミムシ共を潰すには我々も手段を選んでいられない。スーパーバスター砲は何時でも使えるようにして置けよ」 「我々は何時でも使って頂いて結構です。しかしフラット様、貴方の選ばれたパイロットが果たしてそれを使いこなせるかどうかはまた別問題です」  どうやらそのサビレスのパイロットはフラットが選んだ人選に賛同出来ていないらしい。だがフラットはそれに一切の躊躇は無かった。今のあの者ならば、これだけの兵装を使いこなす事も出来よう。 「私の眼を疑うのか? 現に一発カノーンに撃ち込んだでは無いか。それでもまだパイロットに不満を覚えるのかね? 大丈夫だ、奴はしっかりと仕事をやり遂げるよ。それが出来ないならば、そもそもギガントパピリオに無理が有るという事となるな。何れこの兵器の名誉有るテストパイロットとして称賛を浴びる事となるのが私には眼に見えるがね」 「それが貴方の傲慢だと私は思いますがね」 「まあ何と思おうが勝手だ。だが私も遊びでやっているつもりは無いのでね。さあ、次のターゲットを絞る為に敵の動きを注視しようでは無いか」  フラットはそう言うと、舌なめずりをするのだった。
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