5人が本棚に入れています
本棚に追加
「コウキって南中って言ってたよね?
そこってバスケ部とか運動部が強い学校だよね……練習とか大変そう。」
「ある程度は覚悟して入ったからなー、もう慣れたかな。
でもまあ、この夏休みは辛そうだけどな。俺たちがメインになるし。」
「あ、そっか。先輩たちってもう引退したもんね、今は二年生のチームなんだ。」
「……まあ、な。」
そうだ。忘れてはいけない。
もう俺たちのチームなんだ。
強くて頼れる先輩たちはもういない。
頼れるのは自分の力と同級生や後輩の力だけ。
……そして、本当は一番頼れるはずだった秀司も、もういない。
「ところで、ユウは何か部活やってないのか?」
話を変えたくて、ユウに話を振った。
「私はね、バドミントンやってるよ。」
「バドミントン?」
「へへ、ちょっと意外でしょ?」
ラケットを振るフリをして、ユウは笑う。
確かにちょっと意外だ。
そこまで活発って感じでもないから、文化部かと思ってた。
「よく言われるんだよね、お姉ちゃんと一緒にいると、特に。」
「お姉ちゃんがいるんだ?」
「うん。双子のお姉ちゃんがいるの。
私と違ってすごく大人しいんだけど、一卵性の双子だから、顔はよく似てるんだ。
だから、私も大人しい子だと思われるみたい。」
そう言って、ユウは少し苦笑いを浮かべた。
.
最初のコメントを投稿しよう!