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「…ユウは、お姉さんのこと嫌いなのか?」 ユウが苦笑いを浮かべたから、嫌いなのかなって思って。 そう訊ねたら、ユウは慌てて首を横に振った。 「違う違う! むしろ大好きだよ! 双子だと好みとかも似るから、話も合って仲もいいし。」 俺は兄弟がいない一人っ子だから分からない感覚だ。 話の合う兄弟がいたら、家に一人でいることもないんだろう。 家に一人でいるのが嫌だった俺にとっては、兄弟がいる友達がずっと羨ましかった。 秀司にも、四つ下の弟がいる。 弟がいる秀司が羨ましくて、あいつの家にしょっちゅう泊まりに行ったっけ。 「……羨ましいな、お姉さんがいるなんて。」 「コウキは兄弟とかいないの?」 「うん、俺は一人っ子だから。」 「そうなんだ。でも……一人っ子は兄弟と比べられないから、いいな。」 そう言ってユウは、寂しそうに笑った。 お姉さんのことは好きで、仲もいいのに、どうしてそんなに寂しそうに笑うんだろう。 「……一人っ子は、」 「ん?」 「一人っ子は、寂しいよ。家には遊ぶ相手がいないから。 俺、いつも幼馴染みの家に遊びに行っててさ。俺がバスケを始めたのも、そいつがバスケを始めたからで。 俺の遊び相手がいなくなっちゃうから、って、俺も真似してバスケを始めたからなんだ。」 不思議だ。どうして初めて会って数分の女の子相手にこんな話してんだろう、って思ったけど。 ……もしかしたら俺は、この話を誰かに聞いてほしかったのかもしれない。 .
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