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「――ありがとうございました!」 「「ありがとうございました!!」」 俺の挨拶の後に、他の部員が続いて挨拶をする。 顧問に対して頭を下げると、下を向いた拍子に、髪の毛の先から汗がポタッと滴り落ちた。 ――暑い。暑すぎる。 正直言って、夏休みの練習はかなりキツい。 授業がない分、朝からひたすら練習、練習、練習。 練習時間が長い分、基礎練にチーム練と、練習メニューも盛りだくさんだ。 全国大会出場レベルのチームであるから、それも当然ではあるのだが。 「みんな、今日はお疲れさま。明日から1週間オフになるが、夏休み明けには新人戦が控えている。各自体調管理と自主練を怠らないように。」 明日から体育館の補修の業者が入ることもあり、お盆休みも兼ねて、1週間のオフ。 長期オフ前、最後の練習である今日は、ラッキーなことに半日練だ。 「以上だ、それでは解散。」 「「お疲れさまでした!!」」 今日の練習がきつかったとか、これからどこかに行こうとか、そんな話をしながら、部員たちは次々と体育館に隣接された部室棟に向かっていく。 俺もその流れに続こうとした時、背後から顧問に呼び止められた。 「――光輝、ちょっといいか。」 .
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