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『……秀司が昨日、バスケ部を辞めた。』 あいつがバスケ部を辞めたことを俺達が知ったのは、夏休みに入って二日目の練習の日だった。 顧問にそれを聞かされた時、俺達は言葉が出なかった。 秀司は、チームメイトにはもちろん、幼馴染みの俺にさえも何も言わずに退部届を出した。 だから俺たちは、いきなりそんな話を聞かされても、何も言えなかったんだ。 『俺と競う気も、上手くなろうとする気も、試合に勝つ気さえ無いなら、もうバスケなんて辞めちまえよ!』 自分の言った言葉が、頭の中でリフレインする。 3年の先輩にとっては最後の夏の大会で、秀司はレギュラーに選ばれ、試合に出た。 でもあいつは、その大事な試合でミスを重ねた。 いつもはキレのあるドリブルも、2年の中では一番精度の高いシュートも。 俺は、秀司がミスを重ねるその姿に、イライラした。 自分はレギュラーに選ばれなかったのも相まって、あいつのプレーがやる気のないプレーに見えて腹が立ったんだ。 .
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