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センセイは、基本誰にでも優しい。
僕なんか、ワンオブゼム、だ。
「よく聞け、橘。俺は、ここに、友人すら呼んだことはない」
え?
「俺の言ってること、分かるか?」
今頃になって、急に眠気が襲ってきて、思考がまとまらない。
頼りなく頭を横に振りながら「分かんない」というのが、精一杯だ。
「うちに上げたのはおまえだけだよ。それでも大事にされていないって思うか?」
真剣な眼差しが、僕を射抜く。
嘘は、言っていない。
そう思った。けど。
「センセイ……かっこいい」
「ふっ……何言ってんだ」
僕のとんちんかんな言葉に、センセイが、笑う。
「センセイ、笑った。うれしい」
「おまえがかわいいこと言うからだ」
そう言って、センセイは僕をぎゅうっと抱き締めてくれた。
センセイの胸に顔を埋める。
ずっとこうしていたいよ、センセイ。
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