恋するDK、チョコ・ラブポーション

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 バレンタインまであと半月。  片思い歴は既に九ヶ月。今行動を起こさなければ三年間片思いは確実だ。  地味で目立たない聖人は、授業を受け持ってもらえていない今、広瀬の目の端にも止まっていない。  奏多はチョコを渡すついでに告れと言うが、ハードルが高い。せめて橘聖人という生徒の存在を知ってもらいたい、と控えめに願うばかりだ。 「僕も裕巳くらい、かわいくて元気ならよかったのに」 「なになに? 僕がかわいいって?」  昼休み。菓子パンを頬張る親友の久保田裕巳が、聖人のひとりごとに食いついた。
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