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「ありがとう。僕も裕巳が好きだよ」
裕巳には、こんなにも気軽に好きと言える。
だがそれは広瀬への思いとは全然種類が違うからだ。
聖人は、気づけば広瀬の姿を探している。
彼を見かけただけで胸がときめく。
彼の声を聞きたくて耳を澄ましてしまう。
彼に会えた日は一日幸せで、会えなかった日は悲しい。
裕巳はもちろん、他の誰にもそんなことを思わない。
──でも、僕、男だもん。先生の恋愛対象になんて、一生なれっこない。
聖人の思考は、ぐるぐる遠くを彷徨って、結局この結論に戻ってくるだけだ。
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