学校一の弱虫

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****** 「う~わー!良い天気!雲一つない青空だぁー!」 誰もいない屋上 。 暖かい気温の中で気持ち良い風が頬を撫でる。 そして目の前には視界いっぱいに広がる、綺麗に澄み渡っている青。 私は両手を広げ、その青に向かってぐんっと両手を伸ばした。 こんなに綺麗な快晴なんだもの。鳥みたいに伸び伸びと、この空を飛べたならきっともっと気持ち良いんだろうなぁ。 「なーんて、ね。へへ。」 この屋上は居心地が良い。 別に他の学校となんら変わりない屋上だが、私にとったらこの学校の中で唯一落ち着ける、心安らぐ場所だ。 この屋上は本来なら立ち入り禁止になっていて、普段は鍵がかかっている。 でも前にほんの興味半分でヘアピンを使い弄ってみたら、あっけなく簡単に開いてしまった。しかも閉じることさえできてしまう。 それからというもの、この場所が気に入ってしまった私は休み時間などを使ってはことあるごとにヘアピンを使ってここに来ている。 .
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