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そのカップルは、頻繁にその定食屋にくるようで
おばさんとも仲が良く
そのお店にとても馴染んでいた。
俺は時々行くくらいなのに、何回か顔を合わせる
その度に、
彼女は、やっぱりいつも笑っていた。
でも、ある日
二人の様子がいつもと違うことに気づいた
特に、彼女は珍しく笑顔がなく、怒っているような悲しい顔をしていた。
どうしたのだろう…ケンカか…とは思うものの
俺には関係ないことだから…
自分にそう言い聞かせ、料理を待つ。
「ふざけんな…」
バシャッという音とともに
『なのか』の彼氏は、店から出ていった。
罵声とコップの水をかけられたであろう彼女は、下を向いて動かなかった。
ハンカチでもと思い、立ち上がろうとしたが
一瞬、俺は躊躇した。
するとすぐに、おばさんが俺の席に注文した
料理を持ってきた。
「おばさん、タオルかなんか貸してあげて」
そう言いながら、俺は、彼女を指さした。
おばさんは、びっくりして、
急いで彼女のとこに向かい
優しく慰めていた。
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