一話

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み:「むー、たまちゃん。やるねえ……あっ、もしかして私のふりかけがだめなだけなんだ……そーだよね、黄色だけって好き嫌いあるもんねー。それか、メーカーにも違いはあるからなー。ごめん、大親友に配慮足りなかったよ」 た:「まあ、あたらずも遠からずというか……あれ、そういえばみのりんのって個包装で……ひよこがいない」 み:「はあ!!たまちゃん、ひよこがのってるふりかけの話しはやめろ」 た:「どうして?」 み:「私、小学校の頃、ひよこがのってる会社名でいろいろいじめられたんだ。○みのりって。今思うと、もはやこじつけのレベルだけど。その時、太ってたから本当に嫌で、ダイエットして激やせしたの」 た:「私も同じだよ、みのりん。私なんて、もろだし、名前的に。そのせいでね、物心ついたときから、あの黄色い味のふりかけだけ食べられなかったの。 あー、なんで親友かわかっちゃったかも。シンパシー、感じてるんだ。同じ風に傷ついちゃってるから。でもなんで、そんなにつらい過去があるのに積極的にふりかけの話題に?」 み:「たまちゃん、それはねー。どっかで向き合わないとだめなんだなってって思ってさ。白米はどうやっても、白米なんだよ」 た:「……あれ、それ当たり前じゃ」
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