こぶたとスニーカーの神たま

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「ピョ……! 丸美屋でお客の話を傍受するより、チャーコたんのが詳しかった……!」 「黙るニャリ。声が漏れてる」  誰かのヒソヒソ話が聞こえたけど、内容までは良くわからない。 『うふふ、やだぁ。それたぶん、私の事じゃなくて私のハズのコトだわ』 「はず?」 『つまり私の旦那さま。夫のコト』  ピキッとその場の全員が固まる。 『スニーカーの神って何柱もいるの。でもこの地域一帯は、私たち夫婦の管轄だから、この辺りの噂ならウチの主人だと思うー』 「ふわ……でもすごくクサい、汚じさまだって聞きましたふわ。どうしてそんな方とお姉さんみたいな綺麗な神様が……」  わたあめ姫が不安げに声をかけると、彼女はピクッと綺麗な眉を震わせた。 『……秘密』  微笑んで、スニーカーの神たまは唇の前で指を立てた。 『まあそんなわけで。私、ささくれた気持ちをキャッチすると出てきちゃうの。ねえ、そこのこぶたちゃん?』 「え、アタチ?」  いきなりご指名を受けて、アタチのしっぽがピンとする。 『かけっこするんでしょう? 私のスニーカーあげるから、履いて走ってごらんなさい』 「「「ええっ!? チャーコにスニ神のスニーカーを!?」」」
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