24人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「ピョ……! 丸美屋でお客の話を傍受するより、チャーコたんのが詳しかった……!」
「黙るニャリ。声が漏れてる」
誰かのヒソヒソ話が聞こえたけど、内容までは良くわからない。
『うふふ、やだぁ。それたぶん、私の事じゃなくて私のハズのコトだわ』
「はず?」
『つまり私の旦那さま。夫のコト』
ピキッとその場の全員が固まる。
『スニーカーの神って何柱もいるの。でもこの地域一帯は、私たち夫婦の管轄だから、この辺りの噂ならウチの主人だと思うー』
「ふわ……でもすごくクサい、汚じさまだって聞きましたふわ。どうしてそんな方とお姉さんみたいな綺麗な神様が……」
わたあめ姫が不安げに声をかけると、彼女はピクッと綺麗な眉を震わせた。
『……秘密』
微笑んで、スニーカーの神たまは唇の前で指を立てた。
『まあそんなわけで。私、ささくれた気持ちをキャッチすると出てきちゃうの。ねえ、そこのこぶたちゃん?』
「え、アタチ?」
いきなりご指名を受けて、アタチのしっぽがピンとする。
『かけっこするんでしょう? 私のスニーカーあげるから、履いて走ってごらんなさい』
「「「ええっ!? チャーコにスニ神のスニーカーを!?」」」
最初のコメントを投稿しよう!