こぶたとスニーカーの神たま

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 アタチが小首を傾げていると、やけに元気なぽぽくんが大きな声で叫んだ。 「おーいチャーコー! 早くアンカーの位置に来いよ、始めるぞー」 『ほら呼んでるわよ。さあこれを持って……履くのはアンカー地点に着いてからね』  目の前にはピカピカで可愛いピンクのスニーカー、なんだかお花みたいな良い香りまでする。  噂とは全然違う、美人で優しくて何も要求しない(重要)スニーカーの神たま。 「うん……行って来るプギ! アタチ絶対勝つからね、ミモリンダ!」  パクッとスニーカーをくわえて、ぽぽくんの待つアンカー地点へ向かった。 「早く履いてみろよ。そんなもんがあったところで、俺たちの勝利は決まってるけどな」  不敵に笑うぽぽくんに鼻先をプーッと突き出して、スニーカーに前足を入れてみる。  すると魔法のようにキュウゥゥ……っと縮んで、アタチの足にぴったりフィットしてしまった。 「プギ……! しゅごい、このお靴!」 「ちっ……」  原っぱ公園を一周するリレー対決。  スタート地点とゴールは同じ場所で、そこでは第一走者のヌコリンとくろぉる君、そして判定員のわたあめ姫、マッくんが控えている。  その後ろには笑顔のミモリンダ。 (見ててプギ……スニーカーの神たま!)
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