こぶたとスニーカーの神たま

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「第一走者はオレ、次がオネェ走りのぷらぁも、アンカーが気迫だけのぽぽさんだ」 「オネェ走りって設定がすこぶる不服だけどぉー。今日のボクたちに死角はないんだぞっ」 「そう……。なぜなら今日の俺たちは全員『瞬速キッズ プレミアム』を履いているからだ!」  三人がドヤ顔で片足を上げ、アタチたちにその煌びやかなスニーカーを見せつける! 「チョメッ!? そ、それはキッズに大人気の㈱アキレス県のスニーカー! 50mの個人タイムを8秒は縮めるという……!」 「ニャんと! あまりの絶大な効果に、七輪でもその使用はドーピングと認定された代物ニャ……なんと卑怯な!」  いつも冷静なチョメさんとヌコリンが顔色を変える。  毎回僅差で勝敗が決まるこの勝負に、にわかに暗雲が立ち込めた。 「プギー? お靴でそんなに変わるプギ?」 「ワタシも知らなかったピョ……! 娘たちにプレゼントしたら『パパすき』って言ってくれるかもしれないピョ!」 ※エージェントは割と信じやすい。 「だめふわ、マッくん。ジャロも真っ青の誇大広告ですふわ」 「そうなの!?」  アタチは自分の足元に目を落とした。  そこにはピンクのヒヅメがキュートな自慢の前足、でもお靴なんて当たり前だけど履いてない。(裸族だから)  それはチョメさんもヌコリンも、マッくんだって一緒だ。(わたあめ姫は別)
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