24人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「第一走者はオレ、次がオネェ走りのぷらぁも、アンカーが気迫だけのぽぽさんだ」
「オネェ走りって設定がすこぶる不服だけどぉー。今日のボクたちに死角はないんだぞっ」
「そう……。なぜなら今日の俺たちは全員『瞬速キッズ プレミアム』を履いているからだ!」
三人がドヤ顔で片足を上げ、アタチたちにその煌びやかなスニーカーを見せつける!
「チョメッ!? そ、それはキッズに大人気の㈱アキレス県のスニーカー! 50mの個人タイムを8秒は縮めるという……!」
「ニャんと! あまりの絶大な効果に、七輪でもその使用はドーピングと認定された代物ニャ……なんと卑怯な!」
いつも冷静なチョメさんとヌコリンが顔色を変える。
毎回僅差で勝敗が決まるこの勝負に、にわかに暗雲が立ち込めた。
「プギー? お靴でそんなに変わるプギ?」
「ワタシも知らなかったピョ……! 娘たちにプレゼントしたら『パパすき』って言ってくれるかもしれないピョ!」
※エージェントは割と信じやすい。
「だめふわ、マッくん。ジャロも真っ青の誇大広告ですふわ」
「そうなの!?」
アタチは自分の足元に目を落とした。
そこにはピンクのヒヅメがキュートな自慢の前足、でもお靴なんて当たり前だけど履いてない。(裸族だから)
それはチョメさんもヌコリンも、マッくんだって一緒だ。(わたあめ姫は別)
最初のコメントを投稿しよう!