こぶたとスニーカーの神たま

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「ふっふふふ……幼稚園の運動会でも禁止されたがな。お前ら小動物との勝負は治外法権だ!」  さすがぽぽくん。伝説のいじめっ子、剛田 武(6月15日生まれ)を彷彿とさせる立ち姿、そのアクトーぶり。  チョメさんのナナメ横からねじ込むアクトーぶりとはまた毛色が違う。 「さあ、それぞれ位置につけよ。勝負は原っぱ公園一周、バトンは次走者の体にタッチ&ゴーだ!」 『――お待ちなさい、おチビちゃんたち……』  すると、どこからか優しい鈴を振るような声。 「プギ……?」  アタチたちが怪訝に辺りを見回すと、彼女は地面から、歌舞伎のすっぽん(舞台下の奈落から役者が登場する為の装置)を使ったように浮かび上がってきた。 「「「おお……!」」」  一同が息を飲むのも無理はない。  現れたのはゆるくウェーブした長い金髪、真っ白な布を体に巻き付けた西洋神話に出てくるような美女。 「これは……あれチョメ! ほら『あなたが落としたのは金の甲羅ですか、銀の甲羅ですか』ってヤツチョメー!」 「プギ!? おねぃさん、おねぃさん、アタチが落としたのは金の蹄鉄ですプギーー!」 「チャーコは引っ込むニャリ! 女神様、オレは金の鎖で繋がれたブックカース付きの古書をくださいニャーー!」
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