こぶたとスニーカーの神たま

9/17

24人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
『うふ。あなた達、神話の教訓を全く無視してるわね。というか、そもそもそういうのじゃないの。私の名前はミモリンダ・S・カー。スニーカーの神よ』  そう言って彼女は自分のドレスをちょいとたくし上げた。その足元には、神話のドレスに不釣り合いなピンクのスニーカーが君臨している。 「プギ……スニーカーの神たま……? ええっ!?」 「ニャに!? あの今流行ってる、町伝説のスニ神ニャリ!?」 「名前があるチョメ! あたらすぃーー!! ……でもミランダ・カーはマズいチョメ」    『あらミランダじゃないわ。ミモリンダ・スニー・カーよ。でもそんなに有名なの?』  それは目下皆星町を騒がせている、正体不明の自称スニーカーの神様。 ①見た目は浮浪者のような汚やじなのにピカピカの白いスニーカーを履いている。 ②チョコレート、現金三万円などと引き換えにスニーカーをほぼ強引に押し付ける。 ③結果、幸せになるか不幸になるかはイーブン。 ④スニ神を騙り、東京の少女たちのスニーカー狩りをしたり、犯罪に手を染めている者もいる。 ⑤スニ神を、社内の人材教育に利用している独創的なトップも。 ⑥別の存在からジョブチェンジしてスニ神になった者もいるらしい。 ⑦もらったスニーカーを履くと水虫になる。 ⑧他にも多数の目撃証言、逸話が後を絶たない。  という噂をアタチは彼女にお話した。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加