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『うふ。あなた達、神話の教訓を全く無視してるわね。というか、そもそもそういうのじゃないの。私の名前はミモリンダ・S・カー。スニーカーの神よ』
そう言って彼女は自分のドレスをちょいとたくし上げた。その足元には、神話のドレスに不釣り合いなピンクのスニーカーが君臨している。
「プギ……スニーカーの神たま……? ええっ!?」
「ニャに!? あの今流行ってる、町伝説のスニ神ニャリ!?」
「名前があるチョメ! あたらすぃーー!! ……でもミランダ・カーはマズいチョメ」
『あらミランダじゃないわ。ミモリンダ・スニー・カーよ。でもそんなに有名なの?』
それは目下皆星町を騒がせている、正体不明の自称スニーカーの神様。
①見た目は浮浪者のような汚やじなのにピカピカの白いスニーカーを履いている。
②チョコレート、現金三万円などと引き換えにスニーカーをほぼ強引に押し付ける。
③結果、幸せになるか不幸になるかはイーブン。
④スニ神を騙り、東京の少女たちのスニーカー狩りをしたり、犯罪に手を染めている者もいる。
⑤スニ神を、社内の人材教育に利用している独創的なトップも。
⑥別の存在からジョブチェンジしてスニ神になった者もいるらしい。
⑦もらったスニーカーを履くと水虫になる。
⑧他にも多数の目撃証言、逸話が後を絶たない。
という噂をアタチは彼女にお話した。
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