第一話 月の住人

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たどり着いた一人暮らしの部屋に特に温もりがあるわけではないけれど、 晩ご飯を食べ、おまけに添えたスイーツを味わって、ゆっくり風呂に入ると底知れない不安はどこかに消えてしまった。 音量を絞ったテレビをつけ、優駿を開くと私の癒しタイムが始まる。 夜ごと競馬の月刊誌を愛読する二十代のOLなんてあまりいないのだろうな。 そう思いながら一枚ずつページをめくる。
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