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躰の繋がりからスタートしたことがまさかこんなことになるとは思っていなかった。
その関係だけで終わると思っていたし終わらせるつもりでいた。
それ以上の想いは禁忌だと思っていたから。
だけど不意に膨張していった気持ちはとどまることをしらずにいつしかボタンの掛け違いが起きても後戻りできなくなっていってしまった。
「柚、約束してほしい。
俺の前では強がらないこと。
甘えること。
我慢しないこと。
自分を大切にすること
いい?」
でも今私は幸せだ
大切な人に出会えて
愛する人ができて
こんな私を
愛してくれる人がいる
色んな壁を乗り越えて
色んな人達の手を借りて
今がある
お父さん、お母さん
私は今幸せだよ
みんなが守ってくれているから
良い方向に肯定出来なかったあの自分から旅立つ決意ができた。
ありがとう、杏一。
「うん…はい。約束します。」
「俺が全部叶えてあげるからね」
「杏一…私は…」
杏一に何をしてあげれるだろう。
「俺は柚が居てくれればそれでいい。もうあんな思い二度としたくない…」
「杏一…愛してるよ、ずっと、これからも」
「え……ゆ、柚…もっかい!もっかい言って!もっともっと聞きたい!リピートリピート!!」
「言わないってば」
「柚の愛してるはレアなんだ!もっと聞きたい!俺聞かなきゃ死んじゃう!」
「死なない死なない。じゃあ帰る」
「ぇえっつぁっ冷た過ぎるよ妻!俺の妻!来たばっかじゃん妻!妻っ!!妻ぁっ!!!」
もう面白過ぎるってば
「まだなってないし、妻。」
「必然妻!帰ったら寂しいって必然妻ぁあ!」
だから笑わせないで
「ふふふ、もう嘘だって。夕方まで居るから」
「柚、やっと声出して笑ってくれた。これからが楽しみで仕方ないなぁ。杏奈と三人で絶対楽しいよ。あ、まだ増やすんだった。柚が欲しい分だけいっぱいいっぱい俺の遺伝子あげるからね。受け止めるんだよ。気持ちいいことたくさんしようね」
「んもうっ言い方っ」
「ん?好きでしょ?やましいことじゃないもんね?柚と俺はずっと同じ気持ち。リハビリ頑張ろーっと。俺大好きだもん柚とするのが」
完全にこっちが敗北してる感がある
「もちろん躰だけじゃないよ、全部愛してるから。俺のこと好きな、あ、間違えた俺のこと大好きな柚。あ、愛してるんだった俺を。まぁ愛し合ってるってことでいいよね?」
また爽やかな笑顔で言ってるのも悔しい
「今は全然動けないから出来ないけどさ…」
そうかその手があったか…
「柚…?なんか企んでない?」
「動けないもんね?そっかぁそれは残念だね…これからたっぷり我慢するっていうことを教えてあげるね」
「ゆっ柚?」
「ふふふ」
「柚、俺、ほら怪我人、軽傷じゃないからね」
「知らない。あー楽しみ。何でもするってあの時言ったもんね?」
「え?誰が言ったの?いつ言ったの?そんなこと一度も言ってないです!」
ありがとう、私を選んでくれて
そしてこれからもずっとよろしくね
「大丈夫だよ。企んでるんじゃなくて今頭の中で計画を立ててるだけだから」
「怖い!ごめんなさい!許して!ドS柚!」
「いつ看護師さん来るの?」
「え?わかんない。…何するの?ねぇ柚ってば」
「動かないで。いいからじっとしててね?」
「やめてっ柚!ナースコール押しちゃうよ!」
「勝手にどうぞ?被害者面するから」
「いっいやぁあごめんなさぁああい!!!」
fin…
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