こんな節分もありかもしれない

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今日も目の前には艶やかな飯と沢山の野菜が入った暖かい鍋。
今日もまたとても嬉しそうに笑うヒナは、感謝の言葉を述べると、美味しそうに頬張った。
この息ほどに巡った季節の間に、俺は見事に箸をマスターした。
面倒だがしっかりとお箸を使って平らげた。

「今日ね」

何も聞いちゃいないのに、ヒナは突然会話をしてみせる、それはまるで鳥が鳴くような鈴のような声音で。

「村に鬼が出て、畑を荒らしたり、子供を連れ去ろうとするから、お祓いしたいって話してたの」
「は？」

何だって？ 鬼が出る？
俺は確かに畑は荒らしたかもしんねぇ、でも人間を攫ったりなんかしてねぇぞ。
どうしてそんな事を俺に話すのか、見当もつかないから、じっとヒナの小さな口を見つめた。