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今年もまた大寒波で、更に大雨の時期が多く、木ノ実も動物もぱったり見れなくなって、悩んだ挙句にまた俺は、山の麓の村へそっと降りた。 懐かしいヒナの家の庭へ差し掛かった時、おかしな声が聞こえて来た。 「鬼も内ーー! 福も内ーー!」 懐かしい声が、おかしな事を叫んでいる。 しばらく会わない内に、ヒナはとうとうおかしくなってしまったのだろうか。 恐る恐る庭を覗いてみると、そこには少しだけ髪が伸びた真っ白の白装束に身を包み、頭に鬼の面を乗せたヒナが、一人で豆まきをしていた。 「来てくれた」 隠れていたはずだったのに、簡単に見つかってしまった。 あの日以来なもんだから、どんな顔して会えばいいのかわからない。
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