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何事もなかったかのように、ヒナはまた俺を家の中へ招き入れてくれた。
炊き立ての山盛りご飯と沢山の野菜が入った鍋を、これでもかとよそってくれ、変わらない丁寧な感謝の口上をして、ヒナもご飯を一口頬張った。
どうしてこうも自然なんだろうか、人間で言うところの一年近くも会っていなかったのに。
不思議すぎて暫くそんなヒナを見つめていると、不思議そうに相手からも見つめ返された。
「食べないの? お腹減ってない?」
「いや、えっと、何で鬼は内?」
俺は口上はよくわからないので、手だけを合わせて飯を頬張った。
温かくて柔らかくて、甘みが口の中を広がって行き、ゆっくりと胃へ流し込む。
こんなに暖かい食べ物はいつぶりだろうか。
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