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「鬼と、友達になれたらなって」 「は?」 この話は前にも聞いたな。 そんな風に返事をしつつも、それ以上突っ込まないように目の前の食い物をがっつく。 いつかと同じように、ヒナは勝手に話し始めた。 「福の中にはね、鬼と仲良くしたい子もいるんだよ、だからね、そんな福のために、鬼は内」 「意味わかんねぇ、俺は鬼なんだ、神様なんかと仲良くできねぇよ、それに俺は、人を喰う生きもんだ」 そんな事を言いながら、久し振りの飯だけあってあっという間に完食し、その上お代わりもあっという間に食べ切っても、今回は腹の虫が収まらなかった。 目の前にいる人間がとてもいい香りで、腹の虫が早くと急かす。 ゆっくりと食べ切ったヒナは、じっと俺を見つめた。 「まだ足りない? 私食べて良いよ」
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