5

2/3
前へ
/25ページ
次へ
それから俺は、何故だかわからないが、今までよりも頻繁にヒナの所へ通った。 特に意味はない、ただ何となく、毎日ヒナが呼ぶから。 「鬼は内ーー! 福も内ーー!」 時々兎なんかを仕留めて土産にした。 お肉は初めてだと、とても丁寧に感謝しながら美味しい料理を作ってくれた。 あれ以来、ヒナはお友達になろうとは言わなくなった。 怒っているのだろうか、悲しんでいるのだろうか。 そんな考えはほんのひと時だけで、結局のところ、悶々と考えていたのは俺だけだった。 ヒナはもうとっくに、俺と友達なんだそうだ。 だから今日もヒナはおかしなことを言う。 巡り来る次の節分の日。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加