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「オニもうちー! フクもうちー!」
可笑しそうに笑いながら、今度は自分の家の中へ向かって、豆を撒き始める子供。
また突然そんなことをしたもんだから、俺は思わず身構えて、目を閉じた。
けれど一向に豆は飛んで来ず、ゆっくりと目を開くと子供が更に近付いて来ていて、飛び上がってしまった。
「何だお前!?」
「フクさんばかりおうちの中なんてずるい! だからオニさんも、あったかいおうちにいれてあげるべきだよ」
この子供は一体何を言っているのだろうか?
ニコニコ笑って手を差し出されたもんだから、余計に混乱してしまって、俺は一目散に山の中へ逃げ込んだ。
それが俺とヒナという子供の出会いだった。
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