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巡り巡ってまた節分の日。 今年の冬は寒さがいつにも増して酷く、尚更食料にありつけない日々が続いていた。 今年こそ、人間を食べてやろうと山の麓の村へ降りてみたら案の定、あちこちの家で豆まきの真っ最中だった。 分かってはいたけれど、腹が減ってはなかなか頭が回らないから、いつもの庭へ足を踏み入れた。 待ってましたと言わんばかりに扉を開き、走って来たヒナは、いつか会った時より大きくなっていて、また長くなった髪を風に任せ、白過ぎる白装束をも風に任せ、俺の腕を引いた。 「鬼も内ー! ねぇ、寒くないの?」 「お前もな」 成長したらしたでまた美味しそうなヒナ。 だけど我慢だ。 この食糧難に、暖かい握り飯をくれる奴、夏まで我慢だ。 そんな何度目かの決意をした節分の日。
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