第1章

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差し出された小箱の中には、綺麗なチョコレートが品良く収まっている。見た目は美味しそうなチョコレートだ。だが、これは偽の練り込み師によって、妬みが練り込んであった。妬みと言っても練り込み方で作用は色々と違う。これは…。 「これは、誰に貰ったんですか?」 「どうして貰ったとわかるんですか?」 「これには妬みが練り込んであります。」 「えっ…まさか…。」 「これを食べたら、死にはしませんが体調が悪くなります。3日目がピークですね。立ち上がれませんよ。3日後に何か大切な仕事はありませんか?」 「契約日です…やっと契約までこぎ着けた大口の…。」 「それが狙いでしょうね。」 何やらしょげるその人が…少し可哀想に思えた。項垂れたその人に、説明はしたのでそれではこれでと挨拶をして立ち上がる。 「突然、すみませんでした。お昼、食べるんですよね。そのチョコレートは食べない方がいいと思いますよ。じゃ、失礼します。」 名前も知らないその人は名前も知らない俺の話を信じただろうか…食べない事を願った。一応、国家資格のバッジは見せたけどね。
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