恋愛しなきゃいけませんか?

13/33
前へ
/33ページ
次へ
「だから何度も云うけど、知里は俺のものじゃないし。 知里がいいならそれでいい。 けど、知里が嫌がることはするな」 すぅーっと黒縁眼鏡の奥の目が細くなって、宗太先輩を睨み付ける。 「冗談だよ、冗談。 知里ちゃんは可愛いけど、女としてはなー」 「宗太先輩、失礼です」 宗太先輩が笑うから、私も冗談っぽく云って返す。 優輝先輩もまた、何事もなかったかのように唐揚げを囓ってる。 ……でも。 まだ、心臓がドキドキしてる。 宗太先輩から出そうになった、滅びの言葉。 なんでみんな、そういうことにこだわるんだろう。 私にはまったく、理解できない。 結局、食欲がなくなってせっかくのオムライスを残してしまった。 「知里、大丈夫か?」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加