恋愛しなきゃいけませんか?

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「おまえ昨日、あのドラマ見てただろ?」 「当たり前じゃないですか」 優輝先輩が少し悩んで、今日は唐揚げのA定食の食券を買うのを待って、列に並ぶ。 あのドラマっていうのは、会社内で便利屋的立場の女性主人公が、次々に問題をばっさばっさと解決していくドラマだ。 毎回、最後に問題解決のご褒美に主人公が好きなものを食べるんだけど。 それがもう、凄く美味しそうなのが話題で。 昨日はそれが、オムライスだったのだ。 オムライスの載ったトレイを手に適当な席に座ると、優輝先輩もその前に座る。 食べながら話すのは、どうでもいい話題。 「相変わらずふたりかよ」 カタンとトレイを置く音がして横を見ると、優輝先輩の友達の、宗太先輩が私の隣に座るところだった。 「悪いか?」 「別に」
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