恋愛しなきゃいけませんか?

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「……?」 自分のカレーについてたスプーンで私のオムライスを掬うと、宗太先輩が差し出してくる。 一瞬悩んでぱくり。 「知里ちゃんは可愛いよなー」 横からぎゅーっと抱き締められて、あたまわしゃわしゃ撫でられて。 きょとんとしてしまった私を、優輝先輩は笑ってみてる。 「優輝さ。 おまえの可愛い知里ちゃんを、俺がこんな風にかまってもなんとも思わないわけ?」 「別に知里は俺のものじゃないし、知里も嫌がってないし」 なんでもないように優輝先輩が唐揚げを囓る。 私は必死で宗太先輩の腕の中を抜け出すと、ぐしゃぐしゃになった髪の毛をなおした。 「へー。 じゃあ、俺が知里ちゃんをもらってもいいんだ」 どきん、一瞬だけ大きくなった鼓動。 ドキドキ、ドキドキ。 背中を嫌な汗が滑ってく。
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