恋愛しなきゃいけませんか?

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前期試験終わりの大学内。 優輝先輩も今日で終わりだからと、一緒に映画を見に行く約束をしてた。 「優輝せ……」 待ち合わせ場所のカフェテリアに優輝先輩の姿を見つけ、かけかけた声を途切れさせる。 ……そこにいたのは、優輝先輩と知らない女の子。 ……なに、話してるんだろう。 少し離れたところにいる私のところまで、会話の内容は聞こえてこない。 でも、優輝先輩が楽しそうなのだけはわかる。 声をかけていいのかわからなくて、そのまま突っ立ってた。 じりじりと太陽がうなじを焼き、汗が流れ落ちていく。 こっちに背を向けてる優輝先輩は私に気付かない。 不意に、女の子と目が合った。 意味深そうに笑うとその子は……優輝先輩に、キス、した。 ジージーとうるさい蝉の声であたまが麻痺してる。 なにも、考えられない。 女の子は離れるとちょいちょいと私の方を指さし、優輝先輩が振り返った。
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