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「どうかしたのか?」
「あ、えっと。
夏祭りなんて久しぶりで楽しみです!
早く行きましょう、優輝先輩!」
「ちょっと待てよ!」
怪訝そうに顔を覗き込まれ、無理にはしゃいでみせる。
足早に歩き始めた私を、優輝先輩が慌てて追ってきた。
少し歩いて港に出ると、歩行者天国になっていた。
特に目新しいものがあるわけでもないが、ことさらはしゃぐ。
「優輝先輩!
ヨーヨー釣りしませんか!?」
別に欲しくもなかったが、優輝先輩を誘ってみる。
そうでもしないと、間が持たない。
「いいけど」
「私、赤!
赤が欲しいです!」
「自分でやらないのかよ。
……おじさん、一回」
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