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涼音はいつからか、カカオを摂取すると急に甘え出して挙げ句抱きついて眠る癖がついた。
甘いものは嫌いではないが、チョコやココアは口にしないようにしている。
酒には酔わないのだが、カカオには酔うらしい。
「大センセ、すずくんいつおもち焼いたんですか?…焦げたら大変…」
できる範囲で辺りを見渡す彼女に、魔女の親子は大笑いをした。
「大丈夫、焦げても火事にはならないわ」
「…そうそう、大丈夫。それより、どうせこのまま引き離せないことだし起きたら送らせるから珠華ちゃんも一寝入りしたら?」
確かに出来ることは寝ること位だ。
しかも、適温に設定されたここは睡魔を呼び込む。
「実は、さっきからすずくんの寝息につられそうで…」
ここで、大きなあくびが出る。
「さあ、寝ちゃいなさいな」
優しく促されれば、自然にまぶたが下りてゆく。
気付けば、夢の中へと入ってしまった。
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