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あれ此処何処だろう?
気が付いたら知らない駅の駅前のベンチに座っていた。
手に持っているのは、チョコレートケーキとお弁当が入った紙袋だけ。
鞄は? 午後の授業受けたっけ? それより此処何処? どうやって此処に来たの? 全然思い出せない。
帰りの電車賃あるかな?
財布の中を確認。
小銭が数枚入っているだけ、如何しよう?
お母さんに迎えに来てなんて言えない。
身体が弱いのに仕事を3つも掛け持ちして、育ててくれているお母さんにそんな事言えないよ。
援助交際? どうしよう?
悩んでいる私の頭上から声がかかった。
「誰かと待ち合わせしているのかな?」
顔を上げ、声をかけて来た男の人を見上げる。
24~5歳の太り気味の若い男の人が私を見下ろしていた。
私は返事を返す。
「いえ、待ち合わせではありません」
「そうか。
紙袋、多分中身チョコレートだと思うけど、渡す人を待っていたのかなって思ってさ。
待ち合わせじゃないのなら、俺と暫くデートしない?
諭吉10枚で」
諭吉10枚って、10万円!?
身体を売るの? でも10万円あればお母さんに楽させる事が出来る。
男の人を見上げながら頷く。
「じゃ行こうか」
男の人が手を差し出して来たので、その手を握る。
近くの駐車場に止めてあった車に乗せられ、ホテルまで。
って!
車は凄く高そうなホテルの駐車場に入って行く。
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