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男の人は車のトランクからバッグを取り出し、フロントに行きチェックインの手続きを行い、鍵を受け取る。
私は男の人の背に隠れるようにして後に続く。
部屋は高層階にあって、夜景が綺麗。
部屋の中も豪華。
部屋の中を眺めている私に、男の人が声をかけて来た。
「先に食事をとろう。
生魚大丈夫?」
「は、はい」
「そ。
それじゃ寿司を食べに行こう」
ホテルの最上階にあるお寿司屋さんに連れていかれ、カウンター席に座る。
お寿司の皿が流れていない!
こんなお寿司屋さん初めて。
男の人が注文してくれた。
板前さんがカウンター越しに、お寿司を皿の上に置いてくれる。
ご飯が、上に乗るネタで見えない。
次々と皿の上に乗せられるお寿司、見たことが無いお寿司ばかりだ。
美味しいよ、美味しいよ。
お寿司に気を取られ、男の人に聞かれた事全部話しちゃった。
彼に振られ、気が付いたらあそこに座っていた事や。
シングルマザーで私を育ててくれている、お母さんの事とか。
この美味しいお寿司、お母さんにも食べさせてあげたいなって事なんかも。
全部話しちゃったら、これから私が体験する事を思い出し、身体が震える。
男の人に手を引かれお寿司屋さんを出る、震えが止まらない。
怖い、怖いよ。
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