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キーンコーン、カーンコーン……
「あれから、また一週間が経ってしまった……」
前回、二回目の保健室に行った日から早一週間。
しかも、最悪なことに蓮花先生の声を遮るように保健室から立ち去ってしまった。
「絶対に僕のこと、感じの悪い生徒だと思われた!!…………うぅ」
おもわず頭を抱えてしまう。
最近、先生のことばかり考えている。
授業中や給食を食べている時、家に帰ってからも考え、寝る直前でさえも蓮花先生の笑顔が頭に浮かぶ。
そして、消える。
また、浮かぶ!
以降この繰り返し。
一体、僕はどうしてしまったのだろう?
「…………うぅ」
胸が苦しい。先生がクラスメイトに向けていた笑顔、思い返す度に胸のところが糸でキューと締め付けられたみたいになる。
「先生、蓮花先生に……また、会いたいな」
・・・・・・・
先生さようならー! また明日~。
放課後、オレンジ色を空にぶちまけたように空が塗り変わり、下駄箱で靴に履き替えているとその横を元気一杯な声が駆けていった。
僕はそれを少し眺め、校門の方へ歩きだした。
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