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「サッカーで……分かったわ。ありがとうここまで連れて来てくれて」
「はい! 保健委員ですから!」
保健委員の子は見事な敬礼をして見せた。
「じゃあ俺は戻ります。先生、後はよろしくお願いしまーす!」
ガラガラ、ピシャッ!!
勢いよくドアを閉めると、バッタバッタと足音をたてて戻っていった。
「それじゃあ、治療を始めるわ。君はここに座ってくれる?」
先生が丸いイスを持ってきて、その上をポンポン叩く。
「……? 早く座ってくれないと治療出来ないわよ?」
「…………」
僕は黙ってイスに座る。
「それじゃあ、ケガした足をこっちに向けて」
「…………」
僕は黙ってケガした足を先生に向ける。
テキパキと先生は慣れた様子で僕の足の傷口を消毒していく。
「……泣かないんだね」
「……え?」
突然の問いかけに僕は先生の顔を見た。
「あ……」
先生の顔が近い。
「ん? どうかした?」
「え!? いや、な、なんでもないです……」
び、びっくりした! 先生の顔が近くて……しかも、なんか良い香りがして……
「って、何言ってんだ僕ッ!?」
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