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キーンコーン、カーンコーン……
本日の給食時間の終了を告げる。
「今日も残しちゃったよ……」
僕はため息をつきながら、3/1ほど残った給食を戻す。
あの日、初めて保健室に行った日から一週間が経っていた。
「皆さーん! 残らず食器やトレーを戻しましたかー? すぐに掃除を始めますよ~」
はーい! 所々から元気な返事が上がる。
「それでは……掃除、開始ー!!」
ガタガタガタ! 担任の号令が響くやいなやクラスの皆がいっせいに机を移動させて、各自ホウキとバケツを持って掃除を開始した。
「早く終わらせよ……」
ホウキを手に持って、教室の隅っこから掃いていこうと思った時、それは起きた。
ズテン!!
「いってーーーー!!?」
鈍い音が後ろからしたと思うとすぐに悲鳴に近い声があがった。
「!?」
バッ! 慌てて後ろを振り返ると、お尻を擦りながらしゃがんでいるクラスメイトの姿が。
「だ、大丈夫っ!? 頭を打たなかった?!」
丁度近くで一緒に掃除していた担任が、すぐさまその子に駆け寄っていく。
クラスメイトの子は涙目にながら担任の顔を見て、首を横にふった。
どうやら頭は打たなかったようだ。
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