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辻と辻の間に、昔からある丸い石。
地元のものは昔からその石を拝んでいるようだが、何も無いものもあれば、人が拝みすぎ、そこで事故などした者の魂が憑き悪さをしているモノに変わり果ててしまっている石もある。
「何でこう同じ所に憑くのかねぇ……」
祓いながら街を見、いつもの海の側にある小さな神社へと足を運ぶ。
たまにしか来ないが、もう神気も感じなくなって寝込んでいる狐がいる。
「お爺さん元気ですか?」
「ああ、まだ迎えは来ないようじゃ」
「と言う事は、まだまだ頑張れって事ですよ」
懐からお稲荷を出し、爺さんの側に置く。
「有難うよ。お前さんも次の祭りで千年じゃな……どうじゃ?降りそうか?」
「そればかりは仙孤の者か、はたまた神が決めるのか私にも分かりませんからねぇ」
「私は長く生きたが、善孤のまま九尾となった。その上の天狐とまではならなんだが、お主ならご神託があろうて」
「だと良いのですけどねぇ……」
「それよりも、祭り迄に見つかったのか?」
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