ようこそ下宿屋へ

23/53
前へ
/350ページ
次へ
三年間いたが、絨毯も敷いてあったので畳も傷んでいない。 教科書やノートなどダンボールに詰めていると、他の子達が帰ってきたので、変わってもらい食事を温めに台所へと行く。 いつもより遅くはなったが、院生も帰ってきた頃には部屋はダンボールだらけになっていて、ほぼ済んだという。 「みんな、今日は今日で嬉しい話があるからご馳走だよ。早く銭湯に行っといで」 「はーい」とみんなが桶を持って出ていったので、温め直してテーブルに並べる。 一人遅くなるとは言っていたが、おつまみを食べ出す頃には帰ってくるだろうと思い、少し取り分けておく。 みんなが帰ってきたので、院生に早くとせっついて、話をさせる。 「えっと、やっと修士課程修了になりまして、このまま大学に残り、働くこととなりました。まだ暫くこちらに厄介になるのですが、ご報告です」
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3183人が本棚に入れています
本棚に追加