妖街

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祝の酒を買い、流石に秋彪の手は塞がっているので自分で持つことにし、岩戸の番をしているものに帰ると告げる。 「畏まりました。一時的にこちらへの道は塞がれ、すべて役場前に出るようになりますので、お戻りの際はお間違えの無いよう……」 「今日からですか?」 「東は昨晩からです。何かあったんでしょうか?」 「大したことではないと思いますよ?ご苦労様です」 中に入り真ん中辺りまで進むと、警備が数名立っており、出入りの者を審査しているところだったが、既に顔は知られているので、先に通してもらい奥へと進む。 「良いのか?」 「何がです?」 「狐だけじゃなくて、妖怪もいたぞ?」 「妖街ですからねぇ」 「違うって。まともなのはいいとして、ダメな奴らはまた街に戻されるんだろ?あちらで何かあったら大変じゃないか」 「それなら、ついでに捕まえる手間が省けると兄が言ってましたよ?」 「ならいいんだけど。出たら先に冬の神社?」 「そうしましょう。祝い事は早いほうがいいですし」 岩戸を抜けると人間界のいい空気が流れ込んでくる。
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