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冬の神社へと行くと、工事もほとんど終わっており、新しい社務所もできていた。
三人で行くと、社の前には祝い酒などたくさん置いてあったが、当の本人がいないので、酒だけ置いて一旦下宿へと行くというと、珍しく付いてくるというのでそのまま向かう。
ついた早々、雪翔が窓を開けて掃除している姿が見え、何故か玲の姿まである。
「あなた何してるんですか?」
「おう、おかえり!社に行ったらこの坊主……雪翔が居てさ、俺のこと見えてるから話してたんだよ。そのまま手伝ってやるよって話になって……」
「そうでしたか。紫狐、朱狐はどこです?」
「今朝餉の片付けをしていますが」
「秋彪、雪翔の手伝いをお願いします」
「なんで俺なんだよー!」
文句を言っている声は聞こえているが、台所が気になって仕方が無い。
土間へと入ると、たった1日なのに何故か泥棒にでも入られたような散らかりようで、朱狐を呼ぶと申し訳なさそうに出てきた。
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