ようこそ下宿屋へ

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後ろについて行き、受験会場となる教室までに行くまでに、色々なモノがそこかしこに憑いてる。 放って置いても問題のないものばかりだが、この子供の体質ではいつ呼んでしまうか分からない。 見えない御札だけを貼り、暫しの間問題を解く姿を見てから、親御のいる街まで行き家を探す。 探すと言っても、あの子供の足跡を辿るだけなのですぐに見つかるのだが、家の中を見ると段ボールに物を詰めている母親の姿があった。 「親は普通か……」 ふと目に入ったのは小さな仏壇。 写真は祖母なのだろうか?写真と同じ着物を着た老婆が仏壇のすぐ側に立っている。 「貴方様は神様でございますか?」 「あと数年もすれば、神となるやもしれん」 「孫の香りが致します。お連れになるのですか?」 「あの子供は住む場所を探しておろう?我が神社に参りに来たゆえ、ちと気に入っての……」 「私の祖母が昔イタコをしておりましたので、私も少し見えるのです。あの子にはいつも変なモノがつきまとうので心配しておりました。貴方様であれば……宜しくお願いします」 「良いのか?我は野孤かもしれんぞ?」 「格が違うと……私にはそう見えます。どうか孫を守ってやってくださいまし」 そう言って老婆は姿を消した。心残りを預け、心配事が無くなったから成仏したのかもしれない。
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