なめんなよ、でゴザルよ!

5/13
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 ソレは見事な靴の形をしていた、本物と見紛うほどの。 「サイズは28センチ、根子氏に合わせたでござる・・・・・・」  正眼に構えたまま、真っ赤な顔のゴザルはギラついた眼でソレを履けと迫る。 迫力負けした根子が足を通すと、ソレはピッタリ、いやベットリと足に張り付いた。 「おわっ。何だコレ、ベタベタして気持ちわりぃ――おわわぁっ、お前ナニすんだよぉっ!」  ベトつく靴に困惑するヤツの足元めがけ、ゴザルは渾身の力でタックルをかます。 そして、ベロベロとソレを舐め始めた。 「あああぁぁ甘いっ! 某の愛のチョコレート、もっともっと舐めさせるでござるぅ~っ!!」  そう、ソレはスニーカーと見せかけたチョコレート、ゴザルからのバレンタイン攻撃だ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!