黄昏カカオ

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お返しする日なんて、わざわざ決めなくてもいい。思い立ったが吉日だ。いや、このチョコレートのお返しもするけれど、それはもう少し後で、大きくして返そう。 期待してないぶん、驚きに目を剥くサラが容易に想像できた。三月が楽しみだ。 お前は、お前だけは特別なんだと、存分に思い知らせてやろう。 口元の緩んだ俺に、サラの控えめな笑顔が返ってきた。デスクライトの明かりが、妙に色っぽい陰影を彼女の顔に落としていた。
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