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第七夜 帰還
公園の木々が鬱蒼と茂っている。自治体の管理が足りていない訳ではなく、その公園が自然の木々を大切にするという趣旨の元、作られた公園だからだ。木造の遊具を始め、トイレや水道、ベンチなども、ログハウス風やアスレチックをベースにしている。だが、家庭内電子遊具が主流になってしまった現代っ子は、昼間にも関わらず公園に姿は見せない。
その公園の一角に建つ、掃除道具や消防道具、お祭りの備品などが仕舞われた倉庫にいつしかピンク色の帽子を被った小人が住み始めたとしても、何の不都合も無い。むしろそれが必然とも言える。
その密かな住人であるオードリーは長い髪を揺らしながら倉庫の天井裏に差し込む光を背中に受けていた。
夢珠を使って整えた寝床はちょっとした別荘地を思わせる程に豪華で、ある意味切り取った豪邸だ。部屋にはもちろんドアがあり、窓がある。そしてくつろげるリビングにソファ、眠るためのベッド。
ところが、それは他の小人が来客として訪れた時のための部屋であって、今オードリーが居る別室は、扉の位置も隠した秘密の小部屋だ。
オードリーは小さな窓から差し込む光を背中に受けながら、その部屋の中央に置いた一人用のソファでくつろいでいた。
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