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振るわれる触手にはジンのマーキングが施されてはいるが、大量に増えた触手が全て光っているわけではない。
その全てを射抜くにはまだ時間がかかりそうだ。
ジンの声が戦友を呼んだ。
「レン!やれそうならサッサと今すぐやって!!」
呼ばれた赤帽子は苦笑いを見せながら走り出す。
「何だその言い方は!もっと違う言い方あんだろ!?」
「無い!」
「有りません!」
「待てません!」
「お願いいたします!」
ジン、モーリス、ジュン、チョウサク。順番に返す声に、レンが苦笑をやめて真顔に変わった。
大剣を構える。
「せっかくカッコイイ技で締めてやろうってのに!もっとお膳立てしろよな!」
レンが言うと即座にジン達が叫んだ。
「さっきハズしましたよね!?」
「二度目でしょコレ!?」
「もう待てません!!」
「今度こそお願いします!!」
「うるせぇお前ら!見てろよチクショー!」
レンは二度目の大剣を構え、二度目の集中に入る。
大剣からほとばしる紅い光。
それはレンの身体に渦巻き、螺旋を描く。
紅光は頭上で揺らぎ、炎を型取りながら一つの文字を成し、宙空に現していった。
━━━【 滅(メツ) 】━━━
滅(ほろ)びを意味する破壊的な言葉、
それは存在を否定し、生命の礎を崩壊へ導く言葉だ。
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