第七夜 帰還

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 振るわれる触手にはジンのマーキングが施されてはいるが、大量に増えた触手が全て光っているわけではない。  その全てを射抜くにはまだ時間がかかりそうだ。  ジンの声が戦友を呼んだ。 「レン!やれそうならサッサと今すぐやって!!」  呼ばれた赤帽子は苦笑いを見せながら走り出す。 「何だその言い方は!もっと違う言い方あんだろ!?」 「無い!」 「有りません!」 「待てません!」 「お願いいたします!」  ジン、モーリス、ジュン、チョウサク。順番に返す声に、レンが苦笑をやめて真顔に変わった。  大剣を構える。 「せっかくカッコイイ技で締めてやろうってのに!もっとお膳立てしろよな!」  レンが言うと即座にジン達が叫んだ。 「さっきハズしましたよね!?」 「二度目でしょコレ!?」 「もう待てません!!」 「今度こそお願いします!!」 「うるせぇお前ら!見てろよチクショー!」  レンは二度目の大剣を構え、二度目の集中に入る。  大剣からほとばしる紅い光。  それはレンの身体に渦巻き、螺旋を描く。  紅光は頭上で揺らぎ、炎を型取りながら一つの文字を成し、宙空に現していった。  ━━━【 滅(メツ) 】━━━  滅(ほろ)びを意味する破壊的な言葉、  それは存在を否定し、生命の礎を崩壊へ導く言葉だ。
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